大阪府職員基本条例について

弁護士 城塚 健之

はじめに

 大阪府の教育基本条例案については、運動体だけでなく、大阪弁護士会も声明を出すなど、急速に批判が広がりました。これは、子どもたちを守らなければならない、教育に政治が介入するとひどいことになるということで広く一致しやすくて、取り組みが先行したからです。それに対して職員基本条例案の方は、どちらかといえば公務員バッシングという風潮が強い中で、取り組みが遅れてきたという面があるかと思います。ただそれだけじゃない。両方をならべて見ると、やはり大阪府教育基本条例案の方がそのひどさがわかりやすい。やはり橋下氏が教育を目の敵にしているということが露骨に現れているという感じがします。だからといって職員基本条例案の方はましかといえば、そんなことはありません。

 職員基本条例案は、扱っている範囲がかなり広いので、これを分析していくのにも時間がかかりました。でも、これを最初にやるのは自治労連弁護団しかいないと思ってやりました。現時点ではこの条例の分析としてはかなり正確であると自負しています。

読売新聞(8月16日)に、維新の「職員基本条例案」をめぐり、批判する西谷敏(さとし)大阪市立大学名誉教授と、それからこの条例に賛成するという山中俊之関西学院大学教授の2人のインタビュー記事が掲載されていました。

きょう私がお話をする中身というのは、西谷先生が指摘されている論点とほぼ重なります。対する山中氏というのは法律の学者ではありません。もともと外務省におられた方ということで、今はコンサルタントということです。ですから言われていることは、世の中のいわゆるコンサルタントと同じく、センセーショナルといいますか、煽るようなことは言われているのですが、あまり法律的ではありません。かたや西谷先生は、いつものように、冷静に分析をされています。しかし、世の中にはそういったものが出ている程度で、実はあまり分析が進んでいないかと思います。ですから今日こうやって4団体の共催という形で学習会が開かれたのですが、大阪府下の民主的という名が付く人たちにとっても、一般の人たちにとっても、職員基本条例の方は、何が問題なのかよく分からないというのが現状ではないかと思います。今日の学習会を1つのきっかけとして、この条例の問題点を広く民間の方々とも共有できるようにしたいと思っています。

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