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「公契約法・条例」とは、国や自治体が、公共・委託事業を民間業者に発注する場合、この事業に働く労働者の賃金を適正に確保させる制度です。 いま、国や自治体の公共・委託事業は、人件費を無視したダンピング受注やピンハネが横行し、最低賃金法違反や賃金不払いまで常態化しています。 労働者の生活と地域経済を破壊するコストダウン競争に「公契約法・条例」で歯止めをかけましょう。 |
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1000万人労働者の賃金を底上げ 国や自治体の公共・委託事業に働く建設・ダンプ・印刷・出版・清掃・調理・保育・サービス関連労働者は全国で1,000万人以上にのぼります。 この労働者の賃金は、最低賃金ギリギリで生活保護基準すら下回っています。「公契約法・条例」で、安請けダンピングや悪質なピンハネを規制し、賃金を適正に支払うようにすれば、すべての労働者の賃金底上げにも大きな力を発揮します。 公共サービス向上 景気回復につながる 安上がりの公共・委託事業は、下請け業者の経営を圧迫して地域経済を悪化させるばかりでなく、手抜き工事などで公共サービスの質や安全性を低下させています。 「公契約法・条例」は、悪質な工事の温床となる安請けダンピングを規制して、公共サービスの維持向上をはかります。地域の中小業者の経営も安定し、地域経済の活生化・景気回復にもつながります。 |
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・ダンピングで賃下げは底なし ・契約金額からさらにピンハネ・・・ ・赤字単価のおしつけも |
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■建設労働者は・・・・・・ 「もう何ヶ月も仕事がない・・・」深刻な不況の中で建設労働者の生活は追いつめられています。 公共事業もゼネコン向けの大型事業では、地元の中小建設労働者になかなか仕事が回ってきません。 やっと仕事につけても、受け取る賃金はピンハネされています。大阪府が発注する公共工事は予定価格の95%以上で契約されていますが、建設労働者の賃金は契約時に積算されている金額(労務設計単価)の7〜8割とまりです。 赤字単価のおしつけや、関連する企業の倒産により工事代金や賃金の不払いも増加しています。ボーナスや退職金・失業手当もない建設労働者にとって「生活できる賃金」の確保は切実です。 |
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■ダンプ労働者は・・・・・・ 公共工事におけるダンプ1台あたりの積算単価は1日約53,000円。ところが現実は、1日230キロ以上も走行して10時間働いても30,000円程度しか支払われていません。 元請けのゼネコンが下請け業者を買いたたいてピンハネをしているのです。労働者は安い単価で走ることを強要され、違法で危険な過積載もまかりとおっています。不当なピンハネに対し、発注者である国や自治体は「民間企業の間での問題なので介入できない」とまともな指導を行っていません。 税金を公共工事の契約とおりに使わせ、違法な過積載を一掃する責任が国と自治体にあります。 |
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■印刷労働者は・・・・・・ 自治体の発注する印刷物が前回落札価格の半値以下、適正価格の3分の1で落札される例が少なくありません。業界で印刷料金を設定する際の目安となっている経済調査会(財)の積算単価すら無視した安値受注競争が横行しています。 大阪市24区の広報の落札価格は経済調査会の積算単価と比べると、1区を除きすべてが70%以下。そのうち30%台が5区に及んでいました。業界紙「日本印刷新聞」の調査(2001年)では、全国の印刷企業のうち実に87%が最高で40%もの値下げ一要請を「顧客から受けた」と回答しています。 タンピングのしわ寄せは、企業の倒産や廃業、労働者のリストラ・賃下げにはね返っています。 |
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■出版労働者は・・・・・・ 小中学校の教科書は国が教育予算で買い上げています。しかし買い上げる価格は、大学ノートや雑誌よりも安い値段にたたかれています。 最近は教科書の大判化・カラー化がすすみ、製造コストが大幅にアップしているのに、財務省は小中学校教科書の購入価格を0.6%もダウンさせ、経営難に陥っている企業も少なくありません。しわよせは出版労働者のリストラ・賃下げにはね返っています。教科書の価格も、どのようにして決まっているのか不透明です。 教科書の価格を決定する文部科学省の審議に業界の代表が入ったことはなく、業界の意見も聞き入れずに決めているのが現実です。 |
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■自治体の委託・派遣労働者は・・・・・・ 自治体にも多くの派遣・委託労働者が働いています。委託に関わる入札は「予定価格の範囲内で最低価格をもって落札する」ことになっています。 予定価格の上限価格は設定されていますが、最低制限価格は設定されていない自治体が多く、極端な場合は1円でも落札者となることができます。そのために労働者は最低賃金ギリギリの劣悪な低賃金をおしつけられています。 「委託契約を更新するたびに給料がダウンする」「日曜、祭日に出勤しても1円の手当も出ない。時間外に働いても残業手当がない」「何年働いても退職金がない」など切実な声が委託・派遣労働者から寄せられています。 |
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■全国初 府議会で請願採択!! 大阪府議会は3月13日、府の発注する工事で、適切な賃金を確保するよう指導することを求める請願を全会派の一致で採択しました。このような趣旨の請願が採択されたのは、全国でも初めてのこと。大建労(大阪建設労働組合)のねばり強い運動で採択を実現させました。 請願では「深刻な不況が続く中で受注競争は一層厳しさを増し、とりわけ低価格による受注競争は、現場で働く労働者・職人の賃金・単価を際限なく引き下げ、働く者の生活を脅かしている」と指摘。「府発注工事において、工事の積算は二省協定単価に基づく労務設計単価で積算しているため、この点に十分留意し、適切な賃金が支払われるよう配慮すること」を求めています。
■「公契約法」制定求め地方議会で意見書 日本政府に対して、公契約法の制定を求める意見書が地方議会で上がっています。 昨年(2002年)政府に対して公契約法の制定を求める意見書を採択した地方議会 ・兵庫県議会 ・徳島県議会 ・神戸市議会 ■国会でも決議!! 「公共事業の適正な発注を」 (2001年11月17日)参議院国土・環境委員会 「公共工事の入札及ぴ契約の適正化の促進に関する法律案に対する附帯決議」より 「不良業者を排除する一方で、技術と経営に優れた企業の育成に努め、地域の雇用と経済を支える優良な中小・中堅業者の受注機会が確保されるよう配慮するとともに、建設労働者の賃金・労働条件の確保が適切に行われるよう努めること」(決議第6項) 「施工体制台帳の活用等により、元請企業等と下請企業の契約関係の適正化・透明化に努めること」(決議第7項) 「いわゆるダンピング受注は、手抜き工事、下請へのしわ寄廿等につながりやすく、また、建設業の健全な発達を阻害するので的確に排除し、公共事業の品質の確保を図ること」(決議第8項) |
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「公契約法・条例」の制定をめざすとともに、国や自治体の権限を活用すれば、現行の制度のもとで、不当な賃下げやダンピングにある程度の規制をかけることができます。いまこそ、国と自治体に、公正な発注ルールを確保する責任を果たさせましょう。 |
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■IL094号条約で義務づけ 日本も早期に批准を! ILO第94号条約(公契約における労働条項に関する条約)は国や自治体などの公的な機関か発注する事業について、社会的に適正・公正な水準の賃金・労働条件を確保することを契約に明記することを義務づけています。 その水準も、同一の産業・同一の業種で確立している労働協約や最低賃金などの法令よりも有利な水準にすることを義務づけています。 2001年現在、イタリア・フランスをはじめ世界59カ国が批准しています。 ■リビングウエイジ(生活保障・賃金)運動で賃金は最低賃金の2倍にアップ アメリカでは、リビングウエイジ(生活保障賃金)の運動で現在約80の自治体で条例が制定されています。条例は、自治体など公的団体と委託契約または補助金を受けている業者に対して賃金の最低保証の水準を設定して「これ以下の賃金で労働者を働かせてはならない」と義務づけています。 ケア・ワー力ー、警備員、駐車場係員、日雇い労働者、窓口出納人、エレベーター操作者など対象となる労働者も広く、補助金の交付や融資、税の減免なと経済的援助を受けた企業も含まれています。この条例により、賃金水準は各州の最低賃金の2倍近い水準で設定されています。 |
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公契約法の実現をめざす懇談会 全大阪労働組合総連合 大阪自治体労働組合総連合 建設関係労働組合大阪共闘会議 全国印刷出版産業労働組合総連合会大阪地方連合会 日本出版労働組合連合会大阪地域協議会 大阪商工団体連合会 事務局:大阪労連 TEL 06-6353-6421 FAX 06-6353-6420 Email roren@big.or.jp |