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学校給食のつどい
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結成10周年を迎えた学校給食大阪連絡会が記念講演会・レセプション |
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「豊かで安全な学校給食をめざす大阪連絡会」は、大阪の保護者、給食調理員、栄養士、教員、市民団体、労働組合、農民団体、生活協同組合、個人で構成する組織です。1996年に大阪で発生した0―157集団食中毒事件をきっかけに、大阪の学校給食をよくする運動のセンターとして結成され、2006年で10周年の節目を迎えました。 2006年12月9日(土)には「生きることは、食べること―豊かな食を子どもたちに」をテーマに結成10周年を記念する講演・シンポジウムを開催。(財)日本動物愛護協会理事長で元上野動物園長の中川志郎氏に「動物の食からみる現在の食生活へのヒント」と題して講演をして頂きました。 中川氏は「ヒトはパンのみにて生きるにあらずというが、動物も餌だけで生きているわけではない」として、動物の食事には「食物を探し、獲得し、仕分けし、食べる」という集団による社会的なプロセスが含まれていること、チンパンジーのように高度な社会生活を営んでいる動物は、餌を介して「分配、取引」など経済活動も行っていると紹介しました。 一方、動物園で餌が自然食(草、果実、肉、昆虫)からZooFoodといわれる人工配合による固形食に切り替えられているところでは動物が自傷行為に走るなど精神的に不安定になっていると指摘。動物も人間も自然と寄り添う食生活によって進化してきたが、最近はファーストフード化して自然とかけ離れてきている。食の乱れから生活が崩れている点では動物も人間も共通している。生きることの基本には食があり、人間と食、自然の関わりをもう一度考え直していく必要があると問題提起をされました。 目先の「便利さ」や「効率性」が優先され、規制緩和や市場化・民営化の波が学校給食の分野にまで押し寄せている時だけに、中川氏の講演は、子どもたちの人格や身体の形成に大きな影響を与える学校給食の大切さをあらためて実感させるものとなりました。 中川氏の講演の後、大阪連絡会の樫原正済会長(関西大学教授)との対談を行い、人間の食生活と自然環境の課題について意見交換しました。 集いの後は、大阪自治労連学校給食部会の手作りによるメニューで10周年を祝うレセプションを開催。連絡会初代会長の宮本智恵子氏(日本の伝統食を考える会)、初代事務局長の佐保氏(大阪農民組合)など歴代役員の方も参加され、連絡会10年間の思い出、これからの連絡会への期待が語られました。 大阪自治労連現業評議会・学校給食部会は、学校給食連絡会結成10周年にあたり、1996年から2006年までの10年間の学校給食の状況を調査し、その結果を次のようにまとめました。 |
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大阪の学校給食をめぐる10年 大阪自治労連学校給食部会 |
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1.給食調理員の配置状況1985年文部省が学校給食の民間委託を推進する「合理化」通知を発表し各都道府県教育委員会に指示により学校給食の民間委託と給食調理員の非正規化が徐々に進んできました。大阪府下では1997年に八尾市で小学校給食の民間委託が始まり、1998年からは守口市、堺市でも民間委託化がはじまりました。 20年前の昭和60年の大阪府下の給食調理員は4232人配属されていたが、合理化通知や非常勤職員への切り替えが進む中で平成7年には3618人、平成16年には2464人に削減されてきました。10年単位の減少率で見ると昭和20年から平成7年のが85%、平成7年から平成16年にかけては68%に減少している。 |
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一方非常勤職員は各市町村により扱い方に異なり、パート・アルバイト職員を非常勤としてカウントしていないところもある。そのため正確な数値をしることは出来ないが、確実に増えている。高槻市では正規職員が1名か2名で残りは非常勤・アルバイトで運営されている。この例を他の市町村が合理的運営の事例として参考にしている傾向にある。 民間委託されたところでは委託会社の正規職員は数名で残りはパート・アルバイト職員が配属されている。 このように常勤職員の非常勤かが進む中で、常勤職員の年齢構成は55才から59才の職員が22%を占めている。 今後現在のように退職者不補充が続くと数年後には、市町村雇用の常勤職員は大きく減り、直営を維持しているほとんどの市町村で常勤職員よりも非常勤職員が多くなることが予測される。民間委託化が進められているところでは、退職者不補充と残された正規職員に対しても配置転換などによりさらに加速されることになる。 2.学校栄養職員の配置状況文部科学省は都道府県教育委員会に対して従来から学校栄養職員の配置を児童数500人に対して1名配属をガイドラインとして指導してきました。昭和61年3月31日文部省は学校栄養職員の具体的職務内容を各都道府県に通達しました。平成16年には(食に関する指導体制の整備について)食の指導の重要性、栄養教諭制度の創設、食の指導充実の総合的方策について答申を出し、その後平成17年に食育基本法が成立しました。 大阪府下の学校栄養職員の配置は平成7年大阪府下に小学校275名、平成16年には396名となり1.44倍に増えました。この間に増えた原因の一つに小学校給食の民間委託が進んだことが一員ともなっています。 八尾市では平成7年の学校栄養職員は12名、民間委託が進んだ平成16年には37名となり3倍増となりました。これは他市増加率と比べて著しく多くなっている。八尾市栄養職員の増員内訳は平成7年は12名はすべて府費、平成16年は府費26名・市費11名で府費が14名・市費が11名となっている。八尾市では民間委託することで学校栄養職員を小学校全校に配属した。 |
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平成17年に栄養教諭制度が創設され、学校栄養職員の職務内容も多くなってきたが、調理業務の民間委託は調理業務の給食管理に栄養職員の労力が割かれ、食育指導にまで行き届かないという側面も懸念される。 |
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3.米飯給食、献立内容、給食費米飯給食は昭和51年度から学校給食に導入され、大阪府下では平成7年週1.8回(全国平均2.6回)から平成16年には週2.5回(全国平均2.9回)に増えた。米飯給食導入当初は炊飯施設もなく平釜で炊飯していたが、炊飯器の導入等炊飯施設の整備が回数増にもつながった。米飯給食方式については全国的には委託方式が進んでいる中で、大阪府下では自校炊飯は43%、全国的には10番目にあたる(東京は米飯給食の自校炊飯率は92%でトップ)。 委託炊飯には1食あたりの委託炊飯料が平成7年で25円、平成16年には28円がパンの加工賃と同じように給食費にかかってくる。この委託料の扱い方については、給食費として父兄負担にしている市町村と、委託料を公費負担している市町村とがある。また委託炊飯校では殆ど白飯だが、自校炊飯校では各種の炊き込みご飯等も提供されている。委託炊飯料を給食費に市町村では給食費は比較的高くなっている。 例えばこんな事例がある。島本町では各学校で給食費の管理がされてる。民間委託校には炊飯施設整備され、自校炊飯がされている。直営校では炊飯施設がないために委託炊飯されている。給食費は同額なので委託校の方が自校炊飯している為給食費に余裕があり、直営校より余分な食材購入も出来る、そのため委託校の方が給食内容が良くなっている。 |
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大阪府下の10年間の給食内は1996年のO-157事件以降、ほとんどの市町村でサラダ・和え物等はすべて温かいまま提供している。岬町など給食調理室に和え物室や真空冷却機などを備えた施設では冷たいサラダや和え物が提供されている所もある。スイカやリンゴ等のカットフルーツも10年前は各市町村で提供されていたが、現在では出すことがなくなった。 給食費は全国的に最も安いのが大阪府である。10年間の値上げ幅は約300円で全国的にも同じ水準である。 |
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4.調理業務の民間委託と各市の状況について全国的に学校給食の民間委託化が進む中、大阪府下では1997年以降急激に進んでいる。昨年度東大阪市の給食センタの民間委託、枚方市の単独調理校民間委託が新たに始まり、委託率は全国平均よりもかなり上回っている。大阪府下でこれ以上、正規職員の欠員不補充が続くと民間委託もますます進むことも予想される。 直営を維持していくためには正規職員の欠員補充と、非正規職員の労働条件の改善により調理員全体のレベルアップが必要である。 現在、学校給食を巡る情勢で民間委託を選択するか、正規職員を削減し直営を堅持していくか大きな分岐点にある。そのような状況の中で大阪府下の各市町村の状況の概要 |
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