>>第16回大阪地方自治研究集会 [UpDate:2007/3/10]

[男女平等分科会]
格差社会を変える男女平等の力


 11月23日、国労大阪会館で、「第16回大阪地方自治研究集会」の男女平等分科会が「格差社会を変える男女平等の力」をタイトルに開催され、大阪自治労連の組合員や地域団体、住民など70人を超える参加者がありました。


〜平和で豊かな社会は男女平等と女性の参画から〜

 基調報告に立った竹中道子さん(大阪自治労連婦人部常任委員)は、世界の中で日本の男女格差は79位であることをはじめ、さまざまな実態を示しながら「新自由主義の構造改革で、社会保障が切り捨てられ、格差社会が進行し、女性の社会参画がさらに困難になっているなか、今こそ憲法にもとづいた地方自治・自治体行政の推進が求められている」として、「平和で真に豊かな社会をつくるために、男女平等・女性の参画を推進しましょう」と強調しました。

参加者からの各分野からのリレートークでは、「配送業務のパートの労働者は、配送しながら共済の加入、組合員拡大もすすめたいへん。正規職員とは一時金、退職金にも大きな差がある。パート労働者は女性が多く、他の仕事もするダブルワークで生活を支えているのが実態。正規並みの賃金がほしい」(生協労働者)、「若いお母さんたちの中で、行政に対して何か行動していきたいという声が広がっている。教育問題では『親の経済的収入によって、子どもの学歴が決まってしまう』実態があり、これでは悲しい。大学の授業料の高さに驚いている」(女性団体)、「最近では、生徒の親など保護者の職業や仕事がまったくつかめない状況がある。就学援助の子どもたちがクラスで3割から4割にもなっている。医療保険は国保の家庭が多い。父子家庭の子どもは何でも百円均一の店ですませている」(教育労働者)、「国保が高すぎる。国保は休業補償がない。年金は低すぎる。生活できる年金額にしてほしい。業者の婦人は正当な家内労働の対価が認められていないのがおかしい」(中小業者)、「家庭児童相談所には深刻な相談が多い。若い両親の働き方の変化が子どもに大きな影響をあたえている。家庭のひ弱さ、生活力の低さが、子どもをめぐっていろんな問題を引き起こしている」(自治体労働者)などの発言があり、地域や職場での実態が出されました。

参加者からの発言を受けて、二宮厚美さん(神戸大学教授)が講演をしました。

二宮厚美さんは、いまこそ格差や男女差別、正規・非正規との差別を作り出す政府・企業とのたたかいが求められているとして「政府・財界は、男と女、正規と非正規、公務員と民間労働者を競争させ、敵対させて支配をしている。政府や企業が自ら差別をつくりだしている。自治体や学校では露骨な男女差別はできないが、民営化を進めることで、非正規職員の女性をふやし、自治体部門で働く女性と競わせる。公務・公共部門でまず、男女平等を達成することが、運動を前進させるカギになる」と強調しました。

参加者からは、「広い視野で勉強になった」「格差社会、男女差別の構造が政府や企業側から生み出されていることがよくわかった。マスコミの情報に左右されず、たたかう相手をしかりと見据えることが大事だと感じました」「格差社会を男女平等の視点から考えることができてよかった」などの声が寄せられています。