|
|||
[保育分科会]
|
|||
第16回地方自治研究集会保育分科会は12月2日(土)午後2時より大阪市北区の天満研修センターで開催され、保育、幼稚園関係者をはじめ93人が参加しました。 今回は「認定こども園が生み出された社会的背景とそのねらい」というテーマで、保育の市場化・民営化の動きをとらえ、大阪府下保育所の現状と保育運動の課題について学習・討論をしました。 講演では華頂短期大学の藤井伸生氏が講演。「今日の保育制度をめぐる情勢の特徴―何を大切にすべきか」と、保育の市場化をめぐる1990年代から今日までの特徴についてのべ、「公的保育・福祉制度解体路線は90年代の社会福祉基礎構造改革路線に根源があり、認定こども園の本質は公的保育制度を解体することにある」と指摘。 「規制改革・民間開放推進会議」が12月に保育所入所の直接契約をうちだす動きにも警戒し、公的保育の大切さを市民に広げていくこと、親の労働時間短縮など労働政策の見直しが必要であり、労働組合としても親の労働についての相談活動を実施すること、当面の「認定こども園」対策として、大阪府に進行管理の協議や市町村が関与する「認定審査会」を設置させることなどの取り組みが必要だと問題提起をされました。 特別報告では、大保連の仲井事務局長が11月22日実施した厚生労働省交渉について報告。厚生労働省が「認定こども園が導入されても保育に欠ける子の保育は児童福祉法第24条に基づき従来どおり市町村による保育の実施に該当し法的には変更ない」としながらも、保育に欠ける子が「認定こども園」の入所選考から漏れた場合、「選考は市町村でなく各園で行っているので、行政不服審査法の対象にはならない」と市町村の行政責任をめぐって矛盾する回答をくりかえしていることや、規制改革・民間開放推進会議は保育現場のことを何も知らない担当者で制度改革の議論を進めていることが報告されました。 参加者からは、東大阪市教組の木村順子氏が市立幼稚園の預かり保育の現状について発言。小さな部屋に70人が詰め込まれておやつもゆっくり食べられなかったり、預かり保育を保育を常時利用している子とたまに利用している子とでトラブルがあったり、実施する予算のほとんどを、安易な保育ですませるように大型テレビの購入にあてている実態が紹介され「このような状態で認定こども園が入ってきたら現場はますます大変になる」と報告されました。また、大阪市労組からは大阪市の保育所の民間委託について、保育水準が低下している問題について報告がありました 行動提起をした大阪自治労連保育部会長の山本雅代氏は、保育の直接契約など一層の市場化をうちだす「規制改革・民間開放推進会議」が12月末にも答申を出そうとしていることに対し「公的保育を守るための要請ハガキ運動に緊急にとりくみましょう」と訴えました。 |