自立をめざす都市自治体フォーラム


- 分権と協働によるまちづくりを考える -


「5.14都市自治フォーラム」
参加者アンケートより


1.フォーラムの感想


●合併問題は、基礎的自治体のあり方を提起したと思うが、加茂先生の基調講演で、「身近なサービスは小さな生活圏単位で行われるべきで、道路や廃棄物処理などの大きな事業は広域行政で行われたら」という考え方が「自立する自治体」を示唆しているのではないかと思った。(自治体職員)

●自治体の大きさが異なり、イメージしにくい面もあったが、自分の仕事として、住民とのネットワーク、小さな自治、住民参画の必要性を再確認しました。住民との距離が近づくように努めたいと思います。(自治体職員)

●基調講演―都市と農村、合併するしないに関わらず、自立・自治の議題は常にあることを再確認できました。そして分権(地域内)も同様。フォーラム型の社会、地域に生きるとは何か。→自治の議題でもある。(自治体職員)

●今回はじめてフォーラムに参加しました。非常に内容が濃くて満足しています。長野県のコモンズの視点(中央集権でなく補完性の原理に基づく考え方)は、これからの自治を考える上で、必ず大切なことだと思いました。また今後、住民自治力を高める手段が必要です。あわせて、行政職員の意識改革も必要と感じました。本日は本当にありがとうございました。(自治体職員)

●いろんな自治体でがんばっている人たちの淡々としたお話の中に努力を感じました。やはり、地域の中に職員が入っていく必要性を感じました。特に身近な岸和田市のとりくみは興味深かったです。もっと職員ひとりずつの意識改革の必要性を痛感しましたし、むずかしい大きな課題です。(自治体職員)

●いいフォーラムになったと思う。今日からでも遅くはない。地域の変革のため奮闘する。(組合役員)

●いつも誰かが何かをしてくれるのを待っているだけで、自分が率先して何かをしようとはしていません。一人一人の職員が考えて・・・といつも言われますが、何からとりかかればいいのかわからない状況です。(組合役員)

●地方自治、住民参加、協働、街づくりの実践として勉強になった。しかし、池阪さんの最後に話した「地域で協働できる、コーディネータできる職員づくりが必要」というところが大変共感できるところです。何か自分の市でも、がんばろうという気を与えられた。(組合役員)

●住民自治がいきいきと息づく自治体のあり方を、そしてその意義を具体的なとりくみの上にたって深められたことに感謝します。そこには都市・農村の違いを超える共通テーマがあると思います。(組合役員)

●現段階における地域内分権、住民の声が届き、生かされる自治体づくりのしくみが、様々な論点から述べられて興味深かった。長野、世田谷、岸和田、いずれの自治体も素晴らしいとりくみだが、それぞれニュアンスが異なる面がある。
情報や計画策定の段階での住民参加と、事業実施にかかる住民協働とは全くイコールなのか。「自助」「共助」「公助」の考え方も、使いようによっては「両刃の剣」。自助を強調しすぎると弱者切捨てになる。
 自治体職員としても大きなまちで市民が見えにくければ、市民の見え方は愚民観か、お客様になる。主権者、主体者としての市民をどう見るか。私自身はまだ雲をつかむような話である。だからしくみが必要なのだが。(組合役員)

●何が何でも合併!ではなく、自治体に応じ、「必要性があれば合併」、「マイナス要因が多くあるなら自立」と言ったような長野県の方針が国の合併推進策を受けながらも、冷静に地域にとって最良のの選択をし、地域サポートまで考慮していることは、すごいことであると思う。大阪府はどうか?。そこまで地域を考えているか?。机上だけで市町村を指導しているだけではないか?。反面、自治体の自立のためには、県庁がどこまで立ちいれるのかということを思ってしまう。(自治体職員)

●地域の力の共同のほうにも、もう少し掘り下げてもらいたかった。(自治体職員)

●岸和田市の池阪さんの話は、どう住民が主人公のまちづくりをしていくかが、とてもよくわかりました。住民の声を聞く、時間をかけて、まちづくりを語り合うことの大切さがわかりました。上から決めて、借金いっぱいなのに、住民のくらしを削って大型公共事業を強行する泉南市の実態は、先に赤旗新聞でも紹介されましたが、ひどいものです。財政困難赤字6年続き、500億円の借金総額で市民のくらしは守れません。(議員)

●地域内分権や住民協議会など住民参加型のまちづくりという点で興味深い話だった。ただ、議員(熊取町)という立場で何ができるかという点では悩みも多い。住民参加もさることながら、議員自身が住民との交流も深め、本当に住民代表に足りる発言をできているのか反省も迫られている。(議員)

●パネルディスカッションからの参加でした。公務員である池阪さん、佐藤さん、吉澤さんが「語れる」職員であることが、ある意味、高石市民としては驚きでした。地方公務員の法律も見直さなければならないと思います。(市民)

●基調講演とても具体的でよかったです。高石という土地柄、比較的封建制が残っているように思う町ですが、分権、共同の構築にあたり、住民、行政職員の意識改革はどのように進められたでしょうか。また、お話の中で横文字が出てきましたが、和訳を入れていただければと思いました。(市民)

●藤永のぶよさんより、大阪市の問題点がでていましたが、「自治体は小さく、小さく」は良い考えだと思います。すると現在の大阪市の財政危機は、政令指定都市として何か問題点があったようにも考えます。(市民)

●基調講演、加茂さん、林さんの話は具体的でわかりやすかったです。内容が難しいと思って参加しましたが、多角的に論点があげられ、しかも、その水準も高いことに驚いています。ありがとうございました。(市民)

●基礎知識がないため、難解な講演だったが、コミューンやコモンズなどが少し理解できた。
藤永さんの話がわかりやすくて良かった。(市民)

●私の経験のない「都市自治体における自立」の話は新鮮なものでした。新しい実践されている長野県や世田谷区の話も、やればできることが解りました。(市民)

●盛りだくさんでしたが、とてもよかったと思います。(市民)

●長野の話を聞いて、上に立つ人(市長や知事)の考え方一つで素晴らしい住民自治ができるのだということが良くわかりました。(市民)

●私は高石市に住んで岸和田市でボランティア活動、そして本籍は長野市。複雑な気持ちで聞いていました。今後少しでも今住んでいる高石市が少しでも市民の声が届く市になるように参加したい。(市民)

●せっかく、いろいろな地域からの方が話すのだから、ポイントを決め、同じ質問に答える仕方にするほうが理解しやすいのでは。概論より、すぐ実践できるようにHOW・TOの話のほうが高石には向く。理念の話が長すぎるように感じた。(市民)

●高石市の問題が浮き彫りになった。
(1)100人委員会などでの決定権のなさ。(2)子育て懇談会などの委員の決め方(市長が選ぶ)の問題、(3)各課の連携のなさ。(4)市職員の専門性が生かされていない人事。(5)職員の兼務発令(世田谷区のような兼務で地域担当職員の配置)などは遠い話。(6)外向き機関への優秀職員配置。(7)NPOセンターの設立、(8)パブリックコメントの正しい使い方、(9)天下り問題(社協)、(10)地域自治区など(実現は)遠い。NPOとの本当の意味での協働もほど遠い!。

●面白い、解りやすいフォーラムでした。参考になりました。長野、東京、大阪も「コモンズ」が息づいていることを感じました。大阪であっても、花開く分権、自治は可能だと思います。(市民)

●コモンズについて・・・結局何のことだか解らなかった。市民、行政、議会が仲良くならないとダメだと思います。「この町が好きだ」という思いが、結局一番大事なのだろう。(自治体職員)

●「考えられたテーマでいいのだが、今日的な市民の問題意識とはずれたところがあったのでは・・・」と思ったが、先生のお話でよく解りました。何も、東京や長野から連れてこなくても、高石の問題でもりあがったと思う。次は住民と行政の協働のテーマでお願いします。(自治体職員)

●「自治体をフォーラム型にする」ほんとうにそのとおりです。とても元気の出たフォーラムでした。「小さくても・・」ではなくて、都市の自律のための分権と協働の議論をもっともっとして頂きたい。このような集会を継続していただきたい。時には、その後、分科会のようなものがあると、もっと話せたのでは。(自治体職員)

●今日のフォーラムが、ひれからの自治体のあり方を考えていくのに、大きな力となりました。厳しい情勢の中ですが、今こそ市民と手を結び、市民サービスの行き届いた、市民が主体となるまちをつくっていくために、日々頑張っていきたいと思います。今こそ、どんなまちをつくっていくのか、問われているときです。住民の声をしっかりと受けとめ、いい市政をつくっていかなければと思いました。(自治体職員)

●「市民にも縦割りがある」という話に、「そうそう」と感じることもあり、同感の思いです。市民に身近な「出張所」について―何のために?の検討、方向性はもちろん必要ですが、やはり必要ですね。(自治体職員)

●参考になりました。一人一人の持ち時間が短いように感じた。パネラーのバラエティがあった。財政的側面の話も聞きたかった。(自治体職員)

●今後の住民自治の方向に対する具体の実践例を聞いたことがよかった。ただ内容からみると、いずれも暗中模索の状況にあることもわかった。堺市在住者として、大規模自治体のために、住民主権の発揮のシステムはどうあるべきか今後勉強してみたい。(自治体職員)

●長野県の林さんの講演は、コモンズを基にした長野のまちづくりへの意気込み、熱気を感じ、同じ自治体職員としても刺激を受け、私も行政事務にもっと夢やロマンをもって、熱気をもってとりくまなきゃと感じました。また、人の顔の見えるまちづくり懇談会の話を聞いて、数字併せの事務に終始するだけでなく、住民の顔をみて話を聞き、計画をつくっていく。人間味のある行政運営(業務)の大切さを感じました。(自治体職員)



2.意見、質問、要望


●住民と自治体の距離が遠いと、愛するまちはできない。三位一体改革を市民も良く知ることが大事。大阪市の厚遇職員問題への「悪乗り」が府民、市民への攻撃となっていることを府民もよく知るべき。市民、府民の中で、自治体問題研究所の集まりができることで、いきいきとした地域ができることが自律への道だと思う。(自治体職員)

●財政が厳しい中、都市部のまちづくりとしての生き残り方というところでは、どうでしょうか?財政再建をどう街づくりに入れるか。(組合役員)

●自治のしくみの問題は、根本的な課題。個々の分野別の住民運動の成否を、ある意味で左右する問題だが、直接課題として見えにくいので、運動として盛り上げるのは難しい面がある。住民の声が生きる自治のしくみづくりを自治基本条例づくり運動などとタイアップし、大きな運動に出来ないでしょうか。(組合役員)

●各市では、いろいろな取り組みが具現化されているようであるが、高石市では取り組みが大枠で示されているだげで、具体的な案が見えていない。また、市民との連携も感じ取れず、職員の間の危機感があるようには思えない。市民、職員(市)、企業、すべてを巻き込んでこそ、真の協働ではないのか。目前の財政破綻に立ち向かうために、一部組織だけでは無理ではないか?。「合併せず」となって約2年。議会との関係もあるが、政策が停滞しているとしか思えない。(自治体職員)

●各市のとりくみ状況と本市の大きなギャップを痛感しました。非常に参考になりました。(自治体職員)

●住民も行政もフォーラム型、これをめざしていかなければならないと思った。トップダウンの政策方針がいかに本来の自治体の政策決定方針とが離れているかが理論的にも少し整理された。(自治体職員)

●専門的な内容も多かったので、住民団体に参加していない人でも理解できるような工夫も必要であろう。(議員)

●市民、職員(行政)、議会が連携し、よい自治体を作ってこうというのが本来の姿であり、理想だが、八尾市の現状を見ると、行政(市長)と「解同」の癒着の中で、市民の税金が食い物にされている。清潔な市政をつくることが出発点だと思う。(議員)

●全体的に長時間ですね。アクセントのついたプログラムに期待します。ごくろうさまでした。(その他)

●合併しつづけて大きくなった堺市ですが、市民の声を聞こうとしない市長のもとで、どう地域内分権、住民自治をすすめていくか悩んでいます。せめて、権限のある区政にしていくにはどうすればいいでしょうか。堺市でのあり方、まずは区単位でアドバイスがあれば、よろしくお願いします。(市民)

●こういう会議をこれからもやってほしい(アプラホールで)。税金の無駄づかいが良くわかったし、腐敗ぶりもわかった。自分の無知さが良くわかり、さらに勉強しようと思った。どんどんフォーラムをやってほしい。(市民)

●なんとか、高石市を健全化できるよう、どうしたらいいのかと、市民も意識を高めるべきと思います。(市民)

●先進事例の話か聞けてよかったです。(研究者)

●どの市町村も財政困難な折、合併の不安と自立の不安が5部と5部。地域の人々の納得がいく行政をしてもらいたい。3層の地域行政制度(世田谷)や長野の林氏と吉澤氏などのお話を聞き、興味深いものがありました。私たち市民は、このようなフォーラムなどにどんどん参加して、いろんな人の意見も聞き、よりよい行政のあり方も、よくしていってほしいと思います。ありがとうございました。(市民)

●言いたいことが、たくさんあるのは、わかりますが、一つか二つの問題にしぼって報告し、その他のことは質問に答える形にしてもよかったのでは。(市民)

●行政、議会、市民、それぞれの自律感覚ムードを高めるためには、過去の反省、現状認識、中期計画、それぞれを市民に情報提供する。今第一に必要なこと、職員互助会(42市町村の大きな団体にカモフラージュ)を脱退し、市(単独で)で(互助会を)つくること。市民とともに考えよ。(市民)

●市長や議員を、舞台に座らせておいたらどうですか?。やる気が市民に見えますよね。(市民)

●頭の中が少し整理されつつあります。自分にできることから考えます。高石市が好きですから。(市民)

●演壇あるいは舞台袖にでもよいから、「花」を飾るべき!!。無味乾燥なカタいテーマを少しでもやわらげるために。(自治体職員)

●地域組織とNPO、行政との協働の実際、実践、事例を教えていただきたかったです。(自治体職員)

●市民の声を行政に反映させる手段が必要。あるいは市民と行政が同じレベルで話し合える場をつくる。現況(市の行財政)を市民に知らしめるべき。(自治体職員)

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-2005.5.14.-