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機関紙-自治体のなかま-

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橋下「維新の会」の憲法違反を許さず、労働者・国民のくらしと権利を守る新たなたたかいに立ち上がろう(談話)[2012.4.3]

2012年3月30日
大阪自治体労働組合総連合
書記長  荒田 功

 3月23日大阪府議会本会議において、「教育・職員基本条例案(以下、2条例案)」が賛成多数で可決、成立した。大阪維新の会、公明、自民が賛成し、民主、共産は反対した。教育行政への政治介入や、職員と教員を府知事が支配・統制するものである。府知事宛の反対署名は20万を超えたが、これに耳を傾けず強行したことに厳しく抗議するものである。

 一方、大阪市議会は3月27日、本会議を開いたが「2条例案」の採決は見送られ、継続審議となり、5月議会の採決が狙われている。
大阪自治労連は府知事・大阪市長選挙をはじめ、「2条例案」の制定を許さないたたかいに全力を挙げてきた。署名・宣伝行動、地域連絡会づくり、「2条例案」学習会、市民集会など連日奮闘してきた。憲法や教育の条理、地方自治の精神を踏みにじる「2条例案」に対しては、学者・研究者・法律家・文化人・PTA・民間組合など各界の人々から勇気ある反対の声が大阪に届いた。
大阪府議会では可決したが、「2条例案」は「維新の会案」そのままを可決させなかった。また、大阪市議会で継続審議とさせたことは、これまでのたたかいの成果であり確信となるものである。引き続き廃案をめざす運動を強化することを決意する。

 当初、「2条例案」は、昨年9月に大阪維新の会が府議会に提出した。その企みは当時の橋下知事が主導する「大阪都構想」という特定の政策に賛同し、これを推進するための公務員組織をつくることにあった。
橋下「維新の会」は府・市ダブル選挙で「大阪都構想」や「2条例案」を争点に持ち込み、「一人の指揮官」(独裁)による教育と自治体の支配をもくろんだ。

 選挙後、橋下「維新の会」の危険な正体が鮮明になった。昨年末、市議会開会での所信表明で「市職員が民意を語ることは許されない」「公務員の組合というものを、のさばらしておくと国が破綻してしまう」「日本全国の公務員の組合を改めて行く、そのことでしか日本の再生の道はない」と言い放ったことだ。ここに『民意』をふりかざす『独裁性』が見える。

 その後、橋下市長は1月に市役所内の組合事務所の退去を通知し、連合の労働組合の政治活動を理由に全職員の『思想調査』(職員アンケート)を実施。「2条例」で職員の手足を縛り、『思想調査』で職員の人権を侵害し、労働組合を弾圧するという二重三重の不法行為を繰り返したのである。組合事務所の問題では大阪市労組連・大阪市労組が3月14日に「不許可の取消」を求めて大阪地裁に提訴し、また3月29日には府労働委員会に不当労働行為の救済申し立てを行った。これに対し橋下市長は「部屋の明け渡しと損害賠償」を求めて提訴する考えだ。しかし、当局がすべきは労組側と誠実に話し合うことであり、一方的な追い出しは認められない。

 今も昔も、労働組合への弾圧と市民サービスの切り捨ては『メダルの裏表』と言われる。
大阪市は職員人件費の削減を行う一方、現時点で家庭ゴミ収集の有料化、市営水道・地下鉄事業の民営化、保育の民間委託、赤バス運賃値上げが議論されている。4年後には職員数を半減化するという。公務員を敵視し、住民との分断を図る。橋下「維新の会」のねらいは住民サービス切り捨ての大阪に変えることだ。大阪の暮らしと雇用、貧困と格差の解消、そのためにも住民の要求を真正面に掲げ、大阪自治労連は新たな闘いに奮闘するものである。

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