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機関紙-自治体のなかま-

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第15回地方自治研究集会 分科会 [2006.2.27]

[Update:2006/2/27]

第15回地方自治研究集会:男女平等分科会の報告11.12


男女平等分科会を11月12日に国労会館で開催しました。河内長野市女性問題市民懇談会の会長の山崎万里さんは「河内長野市男女共同参画条例」(2005年9月可決)制定にかかわって懇談会を教育と学習の出発点にし、意見の不一致を徹底して話し合ってこられた経験を話されました。

その結果、「性と生殖に関する個人の尊厳」「社会のあらゆる分野での生涯にわたる教育、学習の機会の確保」という大切な事柄を基本理念に追加することができました。

バックラッシュに負けず、粘り強く条例制定をすすめてこられた貴重な経験の報告でした。
吹田市職労の密裕紀衣さんからは、吹田市「性教育」副読本に対して国や市議会の中での不当な取り上げ方をされたことやテレビや雑誌などで興味本位に報道された事実を知り、市内の女性団体と共に教育委員会に懇談会を申し入れたことの報告でした。

懇談会の中でこの副読本が市の教師や医師の力で民主的に作ってきたことや母性保護や男女平等の意識を育てるために年少からの性教育が大切であること、不当な攻撃に負けないで「副読本」をつくってほしいとを発言したことを報告されました。

島本町議員のかわの恵子さんからは男女共同参画推進条例が委員会では可決されたものの本会議で否決された経過を報告されました。委員会で出た疑問や質問に対して行政の側が何ら対応しなかったのが否決された大きな原因だとし、住民と行政が協力し合うことの大切さを強調されました。

第15回地方自治研究集会:公衆衛生分科会


第15回地方自治研究集会公衆衛生分科会は11月12日(土)午後、グリーン会館2階ホールで開催しました。参加者は21名でした。選挙も重なり参加者は例年より少なかったが 藤永氏のコーデイネートで各分野のシンポジストに報告してもらいフロアとの発言も行われ有意義な学びとなりました。

 府職労保健所支部の吉田澄世さんは「保健所・保健センターの変遷と社会保障の改悪からみえること」と題して下記の内容で発言しました。

「2000年(H12)「健康21運動法」等の変遷にふれたなかでの課題の報告があった。理念は栄養、運動、休養で生活の大部分の労働が欠落している。具体化したものが03年(H15)健康増進法。健康づくりについては「公的機関」が中心に行っていたが各保険者が実施する(個人及び家族)となりました。

05(H17)介護保健法の地域包括支援センターはH18年4月実施だが設置条件は直営でなくてもOK。スタッフは保健師(五年後はいないもOK)主任のケアマネジャー・社会福祉士が必要となっている。

06(H18.4)「障害者自立支援法」は精神障害者に応益負担が強いられる。通院医療費も公費負担だったが法32条も1割負担。将来は精神・身体・知的障害も介護保険と合体するので審査会になる様子。

(モデル実施が行われる)問題は通院もしにくい。入院は費用がかさむ。デイ費用も必要。ということから閉じこもり引きこもりが進み住みにくい地域になる」今後どう取組むかの内容は「実態、事実を知らせる」「合同で取組む」なかで「地域で運動を展開する」という報告でした。


次にNPO法人難病連:山田寛二さんは患者の立場から「難病の療養実態と保健機関に望むこと」と題して、次のように自らの闘病報告がありました。

「パーキンソン発病して12年になり、難病は原因不明で治療法が確立していない・治らない・患者が五万人以下となっているという背景で、6法全書には記載がなかった。保健所にいき保健師さんに詳しく教えてもらった。内部障害なので外から解りにくい。健常者に見える。病気を隠している人が2割以上。私も診断に時間がかかった。今はパーキンソン病の山田と言えるようになった。パーキンソン病は12万人いるので難病でないと厚生労働省は大臣が発言している。難病からはずれないよう運動を強めたい。NHKのテレビで桂小米朝の母がパーキンソン病でテレビやラジオで話してくれた。世間に知らせていくことが大事である。」


次に「中小企業の健康実態から公的機関に望むこと」では、大阪商工団体連合会の大阪谷敏兼氏が中小企業従事者の健康実態について次の報告がありました。

 「今年各地の民主商工会が行った健康診断で結果の解った764人については異常なし8.5%で要精密検査26.4%、要治療30%で異常なしが極めて少ないと言われた。特に生活習慣病に関連した異常が多い。共済会加入者の中で初診から死亡まで24時間しかなかった人が17%と多い。深刻な不況の下で病気になっても患者になれない事態が進んでいる。国保料は毎年上がり、料金を払えない市民が多数に上る。滞納世帯は22%になる。滞納世帯のうち6%に対して「資格証明書」(医療費の全額を窓口で支払わなければならない)が発行されている。このような制裁措置により多くの人が病気になっても患者になれない状態に追いやられている。また自殺した人の多くが多重債務を抱えていたことがあきらかになっている。アスベスト問題については、関連業者などは無防備な作業を強いられてきた。労災保険に加入しておらずこの点でも無権利状態である。

 健康診断の取組みは最重要課題とし、各民商が「早期発見で、重くならないうちなら短い期間で直せるのだから」と声かけ誘い合って受診者を増やしている。保健センターの日曜日検診に協力を得て「大腸癌検診50人受け入れてもらう」を取組んだ高槻の経験が報告され、現在では一般受診者にも定着し始め土曜日が追加され実施するようになっています。和泉や高石民商が和泉市保健センターへ検診の申し入れなど広がっています。

以下の4点は行政への要求として報告があった。
  1. 検診の無料化
  2. 行政への要求は市民一般ではなく、階層の特性を把握した対策を講じて欲しい。
  3. 行政ならではのサービスの向上。2次検診の受診案内の徹底。市民団体と共同による参加しやすい学習や検診の企画
  4. 保健所・保健センターが市民の健康つくりへの積極的アピール


最後に、全大阪消費者団体連絡会事務局長の飯田秀男氏は「大阪に食の安全・安心条例を」の題で下記の報告がありました。

「雪印低脂肪乳食中毒事件を教訓にして大阪府職の安全・安心条例要綱案制定に取組んでいる。内容は
  1. 食品事故情報・クレーム情報の収集・公表・開示システム構築の必要性
    事故の拡大を防止するために緊急に公表しなければならないものがある消費者の安全を図るべきである。
  2. 緊急時以外におけるシステム構築の必要性
    事故情報は消費者自身が食品の安全性を判断する上で不可欠。もっと行政による指導監督権限を強化実行化すべき
  3. 自主回収報告制度
    速やかに自主回収に着手し知事に届ける
    事業者は確実な回収、回収終了報告を知事に届ける・府民に情報提供するなど
 以上3点であるが、岐阜県は条例があり、京都は進めているそうだ。府(太田知事)ははっきりしないので、今後条例制定にむけて運動していくので共同して取り組みたい」


フロアの参加者からも次の意見があり交流しました。
  1. 臨床検査技師である府職労の仲間からは、「日本にいない寄生虫が外国から入っている。有機野菜にはそういうものあり、新感染予防法では範囲が狭い。」と専門家の課題としての内容であった。また自分の経験から、母がパーキンソン病であったが、いつ相談したらいいのかわからなかった。もっと情報を教えて欲しかった。
  2. 和泉市会議員からは、負担金導入したら受診率が30〜40%低下した。自治体の工夫もいるようだ。アスベスト検診は三ヶ月間できるはずだったが和泉市は2ヶ月となった。
  3. 堺市職労の福祉の現場で働く労働者は、介護保険法や児童虐待関連など保健師の活躍が期待されおり、予防対応で役割としてもよい機能である。福祉は緊急避難の応援だが、ネットワークの核になるのは自治体でなく家族である。もっと政策化した市民のためのまともな仕事ができるようにしたい。関連労働者と共同しなければ大変な状況である。
  4. 大阪市労組の保健現場で働く労働者は、自治体労働者の参加が少ないのは残念である。雪印の事件が起きたのは保健所が1ヶ所になった直後であった。何か起こるで・・といった矢先であった。広報が悪いのか?保健センタ−のアスベスト検診は受診者が少ない。信頼されていないためか?市民も職員も不健康である。予防原則が確立していない。 
    など課題の発言で謙虚に受け止めた内容であった。
  5. 保健所支部の労働者からは、保健所は期待に応えられていない。食品は消費者の立場にたった行政になっていない。地域での共同で知恵をだしあって頑張りたい」

地方自治研究集会:学校給食シンポジウム


 「これからの食教育と学校給食のあり方を考えるシンポジウム」が、大阪地方自治研究集会実行委員会と「豊かで安全な学校給食をめざす大阪連絡会」の共催で11月5日、府立労働センター大集会室で開催され、調理員、栄養士、地方議員、生産者、市民など67人が参加しました。

 シンポジウムでは記念講演として「子どもたちに豊かな食教育を」と題して京都栄養医療専門学校助教授の今中美栄さんが講演。「食べることは生きることだ」と調理技術の伝承の大切さを語りました。今中氏もシンポジストに迎えたシンポジウムでは関西大学教授の樫原正済氏をコーディネーターに、近畿農政局大阪農政事務所の杉山温子さん、大阪自治労連学校給食部会の森正子さんが発言しました。

 杉山さんは、種まきから稲刈りまで半年かけて米づくりにとりくんでいる東大阪市の小学校や、学校給食用の稲田を所有している高知県など、全国各地の食育の実践事例を紹介。「学校給食に地産地消をとりいけれることは、子どもたちへの安全な食事の提供とともに、地域の農業振興にもつながる」とのべました。

 森さんは、給食調理員としての長年の経験から、手作りの学校給食で子どもたちに本物の味を伝える重要性を強調。小学校で取り組んでいる親子クッキングも紹介しました。
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