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「住民の安全・安心に行政は責任を果たすべき」 耐震偽装と建築行政を考えるシンポジウムを開催 [2007.3.15]

[UpDate:2007/3/15]

「住民の安全・安心に行政は責任を果たすべき」
耐震偽装と建築行政を考えるシンポジウムを開催


耐震偽装と建築行政のあり方を考えるシンポジウムが3月3日に大阪市中央区のOMMビル会議室で開催され、建築関係者、自治体職員、国家公務員、マンション住民、研究者、議員など95人が参加しました。

このシンポジウムは大阪自治労連、大阪建設共闘、京都・構造計算書偽装問題を考える会、兵庫・滋賀の生公連で構成する実行委員会が主催。耐震強度偽装事件以降の国の法「改正」の動きとその評価、住民の立場に立った建築行政のあり方について考えることを目的に取り組まれたものです。


●市場万能のアメリカでも、震災を教訓に、建築規制を強化

 第一部は欠陥住宅被害者全国連絡協議会幹事長の吉岡和弘弁護士が講演し、アメリカのカリフォルニア州で、大震災の教訓から導入された「インスペクション制度」を紹介。

州に登録された建築の専門家であるインスペクター(検査官)が、民間の建築現場をチェックし、問題があれば改善命令を出して安全を確保している事例を報告し、「行政こそが利潤や競争に振り回されずに厳しいチェックができる。

現場で見張る体制が確立できれば、姉歯元建築士のような偽装は容易に見破られる」として、「日本でも、建築士に検査員の資格を付与し、建築主事のもとで現場検査を行う『住宅検査官』制度を導入すべきだ」と強調しました。

 講演の後、耐震強度偽装問題の発端となった川崎市のマンションの住民、平貢秀(たいら みつひで)さんがビデオで出演し、二重ローンなどで苦しむ被害の深刻な実態について述べ、責任をとろうとしない国の対応を厳しく批判しました。

 第二部は、日本福祉大学教授の片方信也氏をコーディネーターに、西野三郎氏(関西分譲共同住宅管理組合協議会)、大槻博司氏(新建築家集団大阪支部)、岩狭匡志氏(大阪自治労連建築職場連絡会)、吉岡和弘氏(弁護士)が登壇してシンポジウムを開催。

 問題提起をした片方氏は、「耐震偽装事件の本質は市場原理主義による建築行政の変更にある。国は、構造計算を審査する機関の新設、罰則の強化など法改正を行ったが、事態の解明と問題の根本的な解決には未だほど遠いのが実情だ。政府の審議会では建築確認の民間開放を『合理的な政策選択であった』と評価している。事件が発覚しても行政のしくみは変わっていない。あらためて『建築確認は公の業務である』という最高裁判決(2005年)をふまえ、民間機関を適正に管轄する国・自治体のチェック機能を強化することが必要だ」と指摘しました。

● 国は責任を認めず、被害住民に「自己責任」をおしつける

 シンポジストからは、「耐震偽装の被害住民には『自己責任』がおしつけられている。しかし、住民は建物が建ってもいない時にモデルルームだけ見せられ、構造や安全についての情報も与えられず、『法的な基準はクリアしている』ことを前提に購入しているのが実態だ」(西野氏)、「そもそも建築は人々の生活をよりよくするためにあるのに、金儲けの道具にされている。高層マンションはその典型だ。建築技術者の資質、倫理も問われている。今回の建築士法改正も問題を解決するものにはなっていない」(大槻氏)、「国土交通省が行った指定確認検査機関への緊急立ち入り調査でも、構造審査に『疑義あり』とするものが15%もあった。建築確認申請は、特定行政庁や非営利財団が減る一方で、営利企業の指定機関だけが増えている。自治体の建築職員も激減し、日本建築行政会議が全国の自治体からとったアンケートでも、64%が『行政機関に構造専門技術者の配属が必要』と答えている」(岩狭)、「本来はすべての建築確認検査を公務員がやるべきだと思うが、官から民への流れの中では困難。しかし『住宅検査官』制度の導入は可能だ。いま、建築ラッシュの中国でもアメリカのようなインスペクション制度が取り入れられ、時代の趨勢になっている」(吉岡氏)と、それぞれの立場から発言、問題提起をしました。

●行政も民間も「よりよい建築物をつくる」共通の目的をもつべき

 会場からの発言では「大震災以降の日本とアメリカの対応の違いに驚いた」(設計士)、「インスペクション制度は現実的な提案だ」「建築技術者の地位と身分を向上させるべき」(自治体の建築職員)、「民間だけでなく、行政も耐震偽装を見逃すなど検査能力が問われている」(住民団体)、「自治体でも条例改正の動きがあり、積極的に対応していきたい」(議員)など活発な意見が出されました。

シンポジウムでの討論を受けて、片方氏は「行政と民間が緊張関係をもつとともに、『住民や利用者のために、よりよい建築物をつくる』という共通の目的をもって、フレンドリーに関わっていける状態をつくることをめざすべき。同時に、物事を特定の人や機関に任せきりにするのでなく、必ずそれを別の者がチェックする『チェックアンドバランス』のシステムをつくっていくことが重要だ」とまとめました。

 参加者からは「インスペクション制度は非常に勉強になった」「資料も豊富で助かった」「内容が多くて時間が足りない。こんな企画をもっと続けてほしい」「今後も継続して取り組むべき」と多数の感想や要望が寄せられました。

 実行委員会では、今回のシンポジウムをふまえ、今後も建築行政の改善に向けた取り組みを続けていくことにしています。
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