第16回大阪地方自治研究集会 特定健診問題分科会 [2007.3.10]
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[特定健診問題分科会]
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2月24日午後、大阪市立青年センターで開催した「特定健診問題学習会」(大阪自治研集会実行委員会主催)には団体、市民、地方議員など含めて50名の参加がありました。本部前田副委員長の主催者あいさつのあと、倉沢高志先生(みなと生協診療所)から講演がありました。 06年7月の医療改悪は、一つは保険がきく範囲を削減し受診抑制に、2つ目は入院から在宅への誘導で先にリハビリ難民をつくる、3つ目は、府県単位の医療保険に再編され、地域間格差が生まれる、4つ目に基本健診をやめて特定健診に変わることで、トータルの健康診断が部分的健診に、5つ目は75才以上は別建ての診療報酬がつくられ、75歳以上からも保険料徴収されるという内容。 特定健診は自治体においては、国保が担当となり、健診の達成状況次第では後期高齢者医療制度への拠出金が増えるというペナルティーがつく。 今回の特定健診は、生活習慣病の中でも肥満だけを重点化した健診であり、「健診」「保健指導」ともに民間営利企業にアウトソーシングが想定されており、プライバシー保護についても危険性があるなど多くの問題点を指摘しながら、「生活習慣病」対策を言うなら何よりも癌検診実施率をあげるため、国・自治体は努力を行うべきと説明されました。 「生活習慣病」対策重視をいうなら、がん検診受診率をあげるべき 「生活習慣を改善して死亡率やり患率が減って、しかも医療費が削減できたという報告例はほとんどない」ことが立証されており、今後団塊の世代ががん年齢に達しがん患者数は10年後ほぼ倍加が予測されているもとで、がん検診を軽視することは重大な問題と強調されました。特にがん死亡率全国一の大阪にあっては、検診受診率は低迷。 また、大阪は自殺率についても全国に突出して高く、それは完全失業率と深く関係している。「健診」という個人に焦点を当てた取り組みに終始し、社会的環境の改善が決定的に不足。健康は、労働や経済と深く関わっており、政府の個人責任追及の路線を変えていく運動が求められていると呼びかけられました。 講演のあと、保健衛生職場から「健康保持増進の理念が大きく変更。市町村では健診実施はどこで行うのか、7割以上が未定。このままでは公衆衛生部門の形骸化と人員削減となる。もっと住民の健康増進のために自治体の役割を発揮すべき」、国保職場から「体制が不十分なうえに、健診実施に伴う費用捻出のため保険料の増額の可能性があること、実施状況でペナルテイーがあることなど問題が多すぎる。今抱えている問題を明らかにしながら取り組みを進めることが解決の糸口になる」と発言。 また、市会議員からは「今の基本健診の負担が1500円が来年引き下げられる動きの一方で、乳幼児の医療費の所得制限・3割負担の導入など、財源サイドの動きについても市民に知らせながら運動を進めることが大事」。保険医協会事務局から「04年、05年の各自治体の基本健診調査では、健診の有料化やがん検診の廃止などいくつかの問題が判明。改めて基本健診の重要性を共有しながら、現行で健診の中身の充実した自治体の健診レベルにもっていくような運動も重要」など市民・団体からも幅広い視点から発言されました。 本学習会をきっかけに、関係する団体とも連帯して「後期高齢者医療制度」「特定健診」の学習や要求づくり、自治体交渉など具体化し、運動を強めていくことを確認しました。 |
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